目次
MT4でEAを利用した自動売買をするときに優秀なEAというのはどうやって見極めれば良いのでしょうか?今回は優秀なEAの見分け方をまとめました。
その1.「フォワードテスト+含み損」をチェックする
MT4にはバックテストという機能がありますが、バックテストというのは最適化機能もあるため、「A」というEAを開発して、バックテストで最適化を繰り返してチューニングすれば、バックテストの結果がの良いEAというのは簡単に作ることができるのです。
これは、答案用紙を見ながらテストを受けて、その結果の偏差値を自慢しているようなものです。
「バックテスト」はEAを選ぶうえで全く信頼に値しないのです。
「バックテスト」に変わるものとして「フォワードテスト」という実際に売買をした結果の運用成績がEA販売サイトでは公開されています。
「フォワードテスト」は「バックテスト」よりも圧倒的に信頼性が高いのです。
しかし、「フォワードテスト」にも落とし穴があります。それは「含み損」です。
例えば「エントリーして含み損が出ていたら、損切りしない」というストラテジーのEAであれば、含み損は貯まる一方ですが決済しないのでフォワードテストは右肩上がりのグラフになってしまいます。一見、優秀なEAと勘違いしてしまいますが、含み損を考慮すれば収益はマイナスということも珍しくないのです。
そこで重視すべきは
「フォワードテスト+含み損」の運用成績
なのです。
フォワードテストは
- 収益(赤)
- 収益+当日最大含み損益(オレンジ)
でグラフが作成されています。
オレンジ色のグラフを見て、優秀なEAを見極めるべきなのです。
その2.6か月以上の稼働期間と100回以上の取引回数があるEAを選ぶ
EAの運用成績の各データを見る前に・・・
EAの稼働期間と取引回数をチェックする必要があります。これは試行回数が少ないデータは信頼性が薄いからです。
「運用期間1ヶ月、3回のトレード、勝率100%」というEAがあっても、たまたまの可能性が高く、信頼性に乏しいのです。
統計学上、最低限必要な試行回数は200回程度と言われています。
200回ですと若干ハードルが高くなってしまうので
- 運用期間6か月以上
- 取引回数100回以上
のEAに絞り込んで、EAを比較することをおすすめしています。
その3.プロフィットファクター(PF)をチェックする
プロフィットファクター(PF)とは
プロフィットファクター = 総利益 / 総損失
です。
- 1.0超 → 利益が出ているEA
- 1.0未満 → 損失が出ているEA
となります。
1.0超が前提ですが目安は「1.5~2.5」と考えましょう。
優秀なEAを見極めるプロフィットファクター(PF)の目安
1.5~2.5
2.5よりも、プロフィットファクター(PF)が高いEAというのは
- カーブフィッティング(過度な最適化)
- 試行回数が極端に少ない
- 含み損があるポジションは決済しない仕様
・・・
という可能性が高いのです。PF2.5超のすべてのEAがそうとは言い切れませんが、稀にPF10というEAもあるぐらいです。異様に高い数字のプロフィットファクター(PF)のEAはより注意深く、見極める必要があります。
その4.最大ドローダウンをチェックする
ドローダウンとは
累積損益がどのくらい減ったかを示す指標のこと
最大ドローダウンとは
ある期間で累積損益が一番落ち込んだときのドローダウンの割合のこと
ですから、優秀なEAほど、最大ドローダウンが小さくなります。最大ドローダウンが大きいと資産が持たずに、強制ロスカットに合う可能性も高くなってしまうのです。
- 最大ドローダウンが大きい = 資産が減るリスクが大きいEA
- 最大ドローダウンが小さい = 資産が減るリスクが小さいEA
優秀なEAを見極める最大ドローダウンの目安
10%以下
その5.最大ストップロスをチェックする
前述した通りで、「エントリーして含み損が出ていたら、損切りしない」というストラテジーの場合、含み損のある塩漬けポジションばかりが増えてしまって、フォワードテストの結果は良いが、実際に含み損込みの残高は減ってしまっているという状況になってしまいます。
そこでチェックすべきは「最大ストップロス」です。
優秀なEAを見極める最大ストップロスの目安
25pips~100pips
最大ストップロスの設定がない、100pips以上になっているEAは要注意です。
その6.直近3か月の収益をチェックする
MT4ではありませんが、同様に自動売買のメジャーツール「ミラートレーダー」で分析したデータでは
過去3ヶ月の収益が大きいEAは、未来3ヶ月も収益が大きい可能性が高い
という結果が出ています。
シンプルに「過去3ヶ月の収益が大きいEA」を選べば、直近3か月の結果も良くなる可能性が高い
というこです。
その7.収益曲線の形をチェックする
収益曲線にはいろんな形があります。
ノコギリ型の収益曲線を持つEAを選びましょう。
ギザギザするのは仕方がありませんが、それを踏まえても、なだらかに上昇していく収益曲線のEAは「安定した収益が期待できるEA」と言えるのです。
急下降、急上昇、V字回復など波があるEAは扱いが難しく、落ち込んだときにメンタルが持たずにそのEAの稼働を中止してしまう可能性が高いのです。EAの寿命の見極めも難しくなってしまいます。
まとめ
複数のEAを動かしながら、自動売買をすることになれて来れば、自己流のEAの見極めルールができてくると思います。自己流のルールができるまでは、上記のような基本的なチェック方法で優秀なEAを見つけることをおすすめします。